掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは
掌蹠膿疱症とは、何の前触れもなく手のひらや足の裏(主に手のひらでは親指の付け根の部分、足の裏では土踏まずの部分あたり)に小さな水疱が多発して膿疱化、そして周囲に紅斑がみられる症状です。なお、手と足に同時にできることもあれば、どちらかしか発症しないこともあります。そのため、足だけしか出ない場合は水虫(足白癬)と間違われることもあります。
主な症状ですが、かゆみが伴う、患部がひび割れして痛むということがあるほか、爪が点々とへこむ、もしくは爪が肥厚するといったことも現れるようになります。膿疱(水疱)については2~4週間の間隔で繰り返し発生、これが慢性的に経過していきます。
なお原因につきましては完全に特定されたわけではないですが、喫煙、歯科金属アレルギー、扁桃腺炎といったことが関与しているのではないかと言われています。なお掌蹠膿疱症患者様の約10%の方で関節炎が発症することがあります。
治療について
長期に渡って喫煙をしている方であれば禁煙指導を行います。また扁桃肥大があるという方は、扁桃腺を摘出する手術や扁桃腺炎に有効な薬物療法(抗生剤、漢方薬など)を行っていきます。歯科金属アレルギーが原因という場合は、金属の詰め物をセラミックなどに変えることもあります。
治療は皮膚症状に対しステロイド外用剤やビタミンD3外用剤を用います。難治症例については、当クリニックにおいては、エキシマライトによるNB-UVB(ナローバンドUVB)治療を行います。それでも治療困難な重症患者様は、生物学的製剤を用いた治療等を行います。