尋常性白斑とは
白斑とは突然皮膚の一部の色素が抜けて、白い斑点が出現する病気です。
尋常性白斑とは、20歳前後の若い世代によく見受けられる疾患で、生後にメラノサイトという細胞が減少、または消失してしまうことで、白斑(脱色素斑)が皮膚表面で形成されている状態を言います(皮膚の一部の色が抜け、部分的に白くなっている)。先天的にこのメラノサイトを合成できない方もいて、これは先天性白斑と呼ばれ、原因が異なります。
白斑があらわれる場所によってもある程度傾向があるとはされていますが、白斑の根本的な原因は特定されていないのが現状です。
- 自己免疫作用によるもの
- 過度なストレスにさらされることで、自己免疫になんらかの異常が生じて白斑が発症すると言われています。過剰になった自己免疫作用が、メラニン色素を形成する細胞を自ら破壊し、機能低下を引き起こす(色がぬけてしまう)ことが原因と考えられています。
- 神経の異常によるもの
- 神経の支配領域に一致して症状が現れることがあることから、白斑がみられる場所に何らかの自律神経に異常がある場合に発症すると言われています。
- 遺伝によるもの
- 家族に白斑が発症している場合、20~30%の確率で遺伝する例が報告されています。
同疾患は、顔、手、胸部、背部など様々な部位でみられるようになります。また尋常性白斑によく似た症状というのは、他の疾患(限局性白皮症、白斑性母斑、老人性白斑、原田病、白斑黒皮症、癜風、ハンセン病 など)でもよくみられることからしっかり鑑別していく必要もあります。
治療について
何らかの原因で機能が下がったメラニン細胞に活動を再開させる為の刺激を与える、且つ、白斑周辺のメラノサイトの刺激を行なって、皮膚の毛穴を中心とした部分と白斑の周囲から色素沈着を図っていきます。具体的な治療法は、ステロイド外用剤、ビタミンD3軟膏、NB-UVB(ナローバンドUVB)療法などによる治療を行っております。